4月10日 万葉苑だより

2022年4月10日

令和4年4月10日

 今日は護国神社恒例の春季例祭の日。絶好の春日和に恵まれたがコロナ禍で最小メンバーによる例祭となった。櫻はすでに葉桜だが、今日は新参加者を含めて23名の奉仕。有難うございました。

 今日はまた縁あって、私が愛育していた懸案の四川蘭(シンピジュウム・ヤマジイ)の株分けと植え替えを行い、株分けした十数株は万葉苑縁故の皆さんに愛育してもらうこととしました。
そもそも、この蘭は第13代愛媛県知事伊沢多喜男氏が台湾総督時代中国四川省で入手。当時の山路一遊滋賀県師範学校長に贈られたものです。
その後山路氏が愛媛県師範学校校長に赴任され、先生は愛媛教育の基礎を創られた名校長として「師道賛仰」の碑にその業績が顕彰されています。
その間四川蘭は先生によって愛育されてきましたが、先生亡き後は愛弟子八木繁一先生・旧藩主久松家を経て県下の有志で愛育されてきました。また、山路先生の薫陶を受けられた竹葉秀雄先生や近藤美佐子先生にも愛育された因縁深い蘭であります。しかし、最近は殆ど栽培を見かけず、恐らく今日の蘭が直系唯一のものではないかと推測しています。

 今日のミニ講座は「さくら」で

 「見渡せば春日の野辺にかすみ立ち 咲き艶へるはさくら花かも」

  作者不詳(巻10~1872)

でした。

 昔は秋の豊かな稔を占う行事として残っています。私たちの世代では

 「敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花かも」

が印象に残ります。

 「願わくば花の下にて春死なん その望月の如月のころ」

もまた。

最後にお知らせ「今年もまた愛媛万葉祭りは中止となりました」来年こそはと念じながら。

藤原